インターンシップ体験談No4



Profile

名前   五十嵐 麻美 さん

年齢   31歳

出身地  北海道

語学学校 Languages International

Liv-infoインターンシップ(現地小学校) 

インターンシップ先の小学校の先生たちとクリスマスパーティーの様子

(クリスマスパーティーにて職場の教師たちと。写真左側)

Xmas party オークランドには、これまでに短期語学留学とワーキングホリデーで滞在したことがあり、今回は、ネイティブスピーカーに囲まれて何かをする環境を探していました。そんな時に、Liv-infoのHPでこのボランティアについて知りました。かねてから、教師という職業には興味があり、子供も大好きなので、今回のボランティアに参加させていただくことになりました。

インターンの役割

私が配属されたのは、Year 0(New Entrance)というクラスで、生徒たちは5歳。19人の生徒がいました。はじめの数日は、クラスの様子を見ながら、雑用のようなことをしていましたが、その後は、実際に子供たちを見ているように頼まれました。

ReadingやMathの授業では、子供たちはそれぞれのレベルに合わせて、グループ分けをされています。先生は、その中で1つのグループを教え、そのグループが終わると、次のグループを教えます。その間は、他の子供たちは、ボードに示されているアクティビティをグループごとにおこなっています。

私の役割は、アクティビティをおこなっている子供たちが、言われたとおりのことをしているか、やることがわからない子はいないか、何か問題は起きていないか、という感じで、クラスを見回ることだと思っていたのですが、慣れてくると、今度は実際にグループを受け持って教えるようになりました。 Readingは、先生からテキスト(小さな絵本)をもらって、生徒と一緒に読みます。ただ、子供たちは、すべての単語の読み方がわかるわけではないので、たとえば「bear」なら、「b」というアルファベットはどういう音を作るか、ということで私が実際に発音してみせて、子供たちにヒントを与え、実際に発音させて、答えを引き出さなければいけません。その後、それぞれの子供に目を配りながら、なめらかに読めるように練習します。さらに、内容を理解しているかということで、いくつかの質問をします。先生から、テキストの主題や理解のポイントは先に聞きますが、細かなテキストの内容は子供たちと一緒に読むまで知りませんし、質問はその場で考えなければいけないので、なかなか大変でした。 Mathについては、5歳児なので、一番難しいレベルの子でも、2桁の足し算までは入っていない状況でしたが、簡単なことを説明するほうが難しく、自分の英語のつたなさを感じました。特に、「2+3」というような、指の使える5までの足し算も理解できない子供たちには、どうやって教えればいいのかと、考えてしまうこともありました。

ランチタイムには、先生やスタッフはスタッフルームに集まり、好きなところに座って、ランチを食べながら、それぞれがおしゃべりを始めます。最初のうちは、先生たちの名前や、受け持っているクラス、それぞれのバックグラウンドもわからず、話を聞いていても、何の話なのか誰の話なのかわからないことがありましたが、時間がたつと、わかるようになっていきました。常勤の先生は、すべて女性だったのですが、ニュージーランドでも日本でも、興味のある話題や話す内容はそれほど変わらないのが面白かったです。ただ、どの先生も、みんな主張が強くて意見があり、あちこちからいろんな話が持ち上がるので、私が自分から話を切り出すというのは難しく、ほとんど聞き役でした。でも、自分から話はしなくても、会話を楽しんでいる、その会話に参加しているということを表現するために、話をしている人の顔を見る、うなずく、笑う、などということはしていました。そのうちに、他の先生たちが「日本ではどう?」などと、話をふってくれるようになりました。

午後の授業は、Topicといって理科や社会を組み合わせたような内容のもの、Artという図工のようなものがありました。TopicやArtは「この内容や技術について教えるように」というカリキュラムがあることもありますが、どのように教えるかについては、すべて先生たちの創造性にかかっています。先生たちは、それぞれが独自に購入した本やインターネットを駆使してアイディアを練り、自分たちで教材を作っていました。

毎週木曜日のランチは、先生たちが集まって、近くのカフェまでランチに行っていました。何人かの先生の車に乗り合って、カフェまで行き、ランチをしながらおしゃべりをします。私も毎週連れて行ってもらっていましたが、学校を離れた場所ということもあり、色々な話が聞けて、人間関係などもわかるようになり、面白い時間でした。

termの最後は、日本でいう成績表のようなものを作るために、先生たちはテストをおこないます。ただ、日本のようなペーパーテストではなく、1人1人口頭でレベルにあわせたテストをおこなうために、膨大な時間がかかります。そのため、私も、アルファベットの読みや単語の読み、算数の一部のテストを任せてもらいました。テストの結果は子供たちのファイルに残り、これから先も保存されていくため、責任の重さも感じました。

ボランティアを始めた当初は、6週間程度で終了し、日本に帰国するつもりでいたのですが、日本語を話す機会が全くない英語漬けという状況だけでなく、とても親切な先生たちに囲まれて大変充実した毎日を過ごしていたため、こんな環境にめぐりあう機会はもうやってこないかもしれないと思い、ビザも延長し、トータルで16週間のボランティアをすることに決めました。

そのおかげで、クリスマスのアクティビティなども手伝うことができましたし、土曜日に学校とは別の場所でおこなわれた先生やスタッフだけのクリスマスパーティー、term4最終日のクリスマスランチにも参加できました。クリスマスパーティーでは、ドレスアップをし、ダンスをするなど、海外ならではの体験をしました。クリスマスランチでは、私の分のプレゼントも用意していただいてあり、驚くと同時にとても感激したのを覚えています。

次のtermでは、担任の先生の異動に伴い、私の希望もあって、Year 2(5歳~7歳)のクラスに入ることになりました。新学年になると、termが始まる数日前から、先生たちは学校に来て、教室のレイアウトや飾り付けをします。デコレーションも、学校から支給されるものがあるわけではないので、先生たちが工夫して作ります。そのため、先生によって、それぞれの教室の雰囲気も異なっています。

夏休みが終わって、久しぶりに会った先生たちは、私がいる状況を当たり前のように思ってくれるようになって、「クリスマスはどうだった?」などと話しかけてくれるだけでなく、「うちのクラスにも来て欲しい」と言ってくれたり、「この学校にずっといればいいのに」と言ってくれるようになりました。それまでは「お客さん」として親切に対応してもらっていたのが、「仲間」として認めてもらえたように感じることができました。

新学期には、前学年のテストの結果だけでなく、新たにテストをし直して、子供たちのグループ分けを行います。私も、アルファベットや単語の読みの他、スペリングのテストも任せてもらいました。また、先生がテストに集中するために、一人でクラス全体を見ているということもあるようになりました。

このtermからは、story writingの際にも、ペンを持って、子供たちのライティングを添削するようになりました。スペルや文法のチェックだけでなく、アイディアに煮詰まった子供には、こちらから質問を投げかけ、何か文章を引き出してあげなければいけません。日本では習うことのない口語表現や、固有名詞などのスペルがわからない単語を質問されたりして、この時間は、常に頭がフル回転でした。

また、放課後の全校でのスタッフミーティング、スピーカーを招いての講演、先生たちがカリキュラムについて学び、グループワークをする「teacher only day」、授業のアイディアを練る学年ごとのミーティングなど、子供たちがいない先生方だけの会議にも、積極的に参加しました。

こういう場面での先生たちは、生徒に話しかける時とは、話すスピードも、使う表現や語彙も全く違うので、リスニングは大変でしたが、勉強になることが多かったと思います。 その他にも、放課後には今日の授業の目的や意図について説明してもらったり、子供たちの性格やバッググラウンドに応じた効果的な接し方や指導の仕方を教えてもらったりすることもありました。

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Year 2には4人の先生がいましたが、そのうち3人が私と歳が近い先生たちでしたので、友達のように接してもらうことができました。一緒にお茶をしに行ったり、お酒を飲みに行ったこともありましたし、 先生の家に遊びに行ったこともありました。そういう時の会話は、日本で友達としている会話と変わりなく、映画や音楽の話、ファッションの話をしたり、抱えている悩みや不安を打ち明けて励まし合ったりというもので、英語でそういう話ができる人間関係を築けたことが、とてもうれしかったです。

日本に帰国する1週間前に、先生が子供たちに私がもう帰ってしまうという話をした際には、子供たちが「またすぐに戻ってくるんだよね?」とか「どうして日本に帰らないといけないの?」と言ってくれました。その前のtermで担当していた、Year 0の子供たちも学期が終わる時に「来年も一緒のクラスにいるよね?」と聞いてくれましたし、校内で会うと名前を呼んで手を振ってくれました。ニュージーランドの子供たちは、無邪気で人懐こく、個性があって、どの子もとても可愛かったです。

インターンシップ先の小学校で生徒たちとの会話

ボランティア最終日には、モーニングティーの時間に、お世話になった担任の先生と校長先生からお礼と今後へ向けての励ましの言葉をいただきました。

また、子供たちからは、手作りのカードももらいました。とても鮮やかな色合いが可愛くて、今は私の部屋に飾ってあります。

ボランティアをすることを決めた後も、初日に学校に行くまでは、本当に身になる経験ができるのかという不安もありました。でも、学校に着いて、ネイティブの先生たちに囲まれると、その恵まれた環境の素晴らしさに気づき、不安は期待に変わりました。また、実際に、子供たちを教えたり、一人でクラスを見ていたりすることもあるなど、予想していた以上にクラスに参加させていただくことができたと思います。先生方や子供たちの保護者の方とも打ち解けて世間話ができるようになり、そんな時には、「私は本当に外国にいるんだ」と感じたものでした。

また、ボランティアをしている最中もホームステイを続けていたため、日本語を聞く機会や話す機会もほとんどなく、英語漬けの毎日でした。ただ、スピーキングが進歩したかというと疑問が残り、やはりボキャブラリーなどは自分で勉強して身につけなければいけないのだと改めて実感しました。

ボランティアをしている期間、本当に楽しいことばかりで、毎日が充実して忙しく、時間があっという間に過ぎていきました。先生たちから、「アサミがいなくなったら、来週からどうすればいいかわからない」「ここにアサミがいるのがもう当たり前になっている」「またこの学校に戻ってきて」と言ってもらえた時には、本当にうれしかったです。

インターンシップ先の小学校の授業風景 生徒たちと記念撮影

こんな経験は、ニュージーランドにいても簡単にできることではないと思っていますので、このような機会を与えてくださった額田さんには心から感謝しています。この学校で過ごした16週間は、忘れられない私の宝物になりました。ありがとうございました。



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